マネーストックのM1・M2・M3・広義流動性とマネタリーベースは何が違うか — 『お金の量』の読み方(2026年8月の数値つき)
マネーストックは一般法人・個人・地方公共団体などが持つお金の残高、マネタリーベースは日本銀行が供給するお金(日本銀行券発行高+貨幣流通高+日銀当座預金)。M2とM3は預金の預け入れ先の範囲が違う。2026年8月はM2が前年比2.0%、M3が1.2%増えた一方、マネタリーベースは15.7%減った。
数字 — 2026年8月のマネーストックとマネタリーベース
時点:2026年8月。マネーストック速報は2026年9月9日、マネタリーベースは9月2日公表(日本銀行)。一次資料:マネーストック速報(2026年8月、出典1)、マネタリーベース(2026年8月、出典3)。9月分のマネーストック速報は2026年10月14日公表予定のため、ここでは7月→8月を比べる。[1][3]
| 指標(平残) | 前年比 2026年7月(8月速報時点) | 前年比 2026年8月(速報) | 前年比の変化 | 平残 7月(兆円) | 平残 8月(兆円) |
|---|---|---|---|---|---|
| M2 | 2.1% | 2.0% | ▲0.1%ポイント | 1,296.6 | 1,296.4 |
| M3 | 1.3% | 1.2% | ▲0.1%ポイント | 1,640.9 | 1,640.0 |
| M1 | 0.2% | ▲0.1% | ▲0.3%ポイント | 1,091.5 | 1,087.5 |
| 広義流動性 | 4.5% | 4.4% | ▲0.1%ポイント | 2,341.5 | 2,342.7 |
| M3のうち現金通貨 | ▲1.2% | ▲1.3% | ▲0.1%ポイント | 109.9 | 109.9 |
| M3のうち準通貨 | 4.0% | 4.4% | +0.4%ポイント | 527.5 | 531.2 |
| マネタリーベース | ▲13.8% | ▲15.7% | ▲1.9%ポイント | 554.9(5,549,259億円) | 543.0(5,430,070億円) |
・M2は前年比2.0%、M3は1.2%の増加で、いずれも7月から0.1%ポイント鈍化。 ・M1は▲0.1%と前年を下回った。 ・マネタリーベースは▲15.7%で、7月から減少幅が1.9%ポイント拡大。[1][3]
表の読み方:前年比は平均残高(平残)の前年比で、日本銀行の公表値。マネーストック各指標の7月値は8月速報に掲載された値(訂正後)。マネタリーベースの7月値は出典3による。前年比の変化(%ポイント)は本ページの計算。マネタリーベースの兆円表示は億円の公表値を本ページが換算した。[1][3]
用語:マネーストックは「一般法人、個人、地方公共団体などの通貨保有主体(詳細後述)が保有する現金通貨や預金通貨などの通貨量の残高」。準通貨は定期預金・据置貯金・定期積金・外貨預金。「準通貨の大半を占める定期預金は、解約して現金通貨ないし預金通貨に替えれば決済手段になる金融商品であり、預金通貨に準じた性格を持つという意味で準通貨と呼ばれる。」 CDは譲渡性預金。[4]
M1・M2・M3・広義流動性の定義
日本銀行の定義では、M1=現金通貨+預金通貨(預金通貨の発行者は全預金取扱機関)、M2=現金通貨+国内銀行等が発行する預金通貨・準通貨・CD、M3=現金通貨+全預金取扱機関が発行する預金通貨・準通貨・CD、広義流動性=M3+金銭の信託+投資信託+金融債+銀行発行普通社債+金融機関発行CP+国債+外債。[4]
M2とM3の違い:日本銀行の解説では、M2は金融商品の範囲はM3と同じで、預金の預け入れ先が国内銀行等に限定されている。国内銀行等は国内銀行、外国銀行在日支店、信用金庫、信金中央金庫、農林中央金庫、商工組合中央金庫。全預金取扱機関はこれにゆうちょ銀行、信用組合、労働金庫、農業協同組合、漁業協同組合などを加えたもので、国内銀行にゆうちょ銀行は含まない。[4]
現金通貨:「このうち、現金通貨は、銀行券発行高と貨幣流通高の合計から金融機関保有現金を控除した残高である。」[4]
広義流動性:「広義流動性は、相当広範囲の金融商品を含むため、金融商品間の振り替え(例えば、投資信託を解約して預金に振り替える)が生じた場合であっても、比較的安定的に推移する特色を有している。」[4]
通貨保有主体 — 誰が持つお金か
日本銀行によると、通貨保有主体は「「一般法人、個人、地方公共団体・地方公営企業」を指し、中央政府、中央銀行、預金取扱機関、保険会社、銀行持株会社、保険持株会社、政府系金融機関、証券会社、短資会社は含まれない。なお、非居住者は、通貨保有主体には含まれない。」[4]
マネタリーベースとの違い
マネタリーベースは日本銀行券発行高+貨幣流通高+日銀当座預金で、「日本銀行が金融部門を含めた経済全体に供給する通貨量」を集計した統計。マネーストックは「金融部門(通貨発行主体)から経済全体に対して供給される通貨」を集計した統計とされる。[4]
「この結果、マネタリーベース統計に含まれる、日銀当座預金や金融機関の保有現金(「銀行券」と「貨幣」)は、マネーストック統計には含まれない。」[4]
2026年8月のマネタリーベースは前年比▲15.7%で、内訳は日本銀行券発行高▲2.0%、貨幣流通高▲1.2%、日銀当座預金▲18.9%。9月は▲15.2%だった。[3][6]
速報と訂正 — 7月分の値
| 2026年7月の前年比 | 7月速報(8月12日) | 8月速報時点(9月9日) | 差 |
|---|---|---|---|
| M2 | 2.2% | 2.1% | ▲0.1%ポイント |
| M3 | 1.4% | 1.3% | ▲0.1%ポイント |
| M1 | 0.1% | 0.2% | +0.1%ポイント |
| 広義流動性 | 4.4% | 4.5% | +0.1%ポイント |
表の読み方:7月の前年比は、7月速報(8月12日)と8月速報の資料(9月9日、訂正値)で異なる。8月速報では2020年6月以降の計数が訂正された。差は本ページの計算。日本銀行は、確報公表後も基礎資料の入手や訂正に伴い遡及訂正されるとしている。[1][2][4]
対にして読む — マネーストックとマネタリーベース、M2とM3
マネーストックとマネタリーベース:8月はM2が+2.0%、マネタリーベースが▲15.7%。日本銀行が供給するお金と、通貨保有主体が持つお金は別の統計で、同じ方向に動くとは限らない。[1][3]
M2とM3:8月はM2が+2.0%、M3が+1.2%。M3はゆうちょ銀行などの預金も含むため、M2より範囲が広い。[1][4]
M1と準通貨:M1は▲0.1%、準通貨は+4.4%。決済に使いやすい要求払預金・現金と、定期預金などの準通貨で動きが分かれた。[1]
M3と広義流動性:広義流動性は+4.4%で、M3の+1.2%を上回った。8月の前年比は投資信託13.9%、国債18.5%などで、この差には投資信託や国債などM3以外の部分の伸びが反映されていると本ページは読む。[1][4]
本ページの読み
『お金の量』の数字を見るときは、マネタリーベース(日本銀行が供給するお金)か、マネーストック(通貨保有主体が持つお金)か、さらにM1・M2・M3・広義流動性のどれかを確かめる必要がある。2026年8月はマネタリーベースが大きく減る一方でM2・M3は増えており、どの統計を見るかで印象が大きく変わると本ページは読む。[1][3][4]
次の公表
日本銀行の公表予定表(2026年7月~2027年6月)では、マネーストックの9月分速報は2026年10月14日(水)8時50分の予定。9月分は原則として翌月第9営業日に公表される。[4][5]
確認済みの事実
各事実に根拠の種類を表示このセクションの各事実には根拠の種類が表示されます——独立した情報源でのクロス検証、または一次資料単独での確認。
日本銀行は、マネーストックを一般法人、個人、地方公共団体などの通貨保有主体が保有する現金通貨や預金通貨などの通貨量の残高と定義し、対象とする通貨と通貨発行主体の範囲に応じてM1、M2、M3、広義流動性の4指標を作成・公表している。[4] 1 源 · 一次資料
通貨保有主体は一般法人、個人、地方公共団体・地方公営企業で、中央政府、中央銀行、預金取扱機関、保険会社、銀行持株会社、保険持株会社、政府系金融機関、証券会社、短資会社と非居住者は含まれない。[4] 1 源 · 一次資料
M1は現金通貨+預金通貨(預金通貨の発行者は全預金取扱機関)。M3は現金通貨+全預金取扱機関が発行する預金通貨・準通貨・CD。M2は現金通貨+国内銀行等が発行する預金通貨・準通貨・CDで、金融商品の範囲はM3と同じだが預金の預け入れ先が国内銀行等(国内銀行、外国銀行在日支店、信用金庫、信金中央金庫、農林中央金庫、商工組合中央金庫)に限られる。国内銀行にゆうちょ銀行は含まない。[4] 1 源 · 一次資料
現金通貨は銀行券発行高と貨幣流通高の合計から金融機関保有現金を控除した残高。預金通貨は要求払預金(当座、普通、貯蓄、通知、別段、納税準備)から対象金融機関保有小切手・手形を除いたもの。準通貨は定期預金+据置貯金+定期積金+外貨預金、CDは譲渡性預金。[4] 1 源 · 一次資料
広義流動性はM3に金銭の信託、投資信託、金融債、銀行発行普通社債、金融機関発行CP、国債、外債を加えたもの。M3以外の7コンポーネントの平残合計は広義流動性全体の4分の1程度とされる。[4] 1 源 · 一次資料
マネタリーベースは日本銀行券発行高+貨幣流通高+日銀当座預金で、日本銀行が金融部門を含めた経済全体に供給する通貨量を集計した統計。マネーストックとは通貨の発行主体と保有主体の範囲が異なり、マネタリーベースに含まれる日銀当座預金や金融機関の保有現金はマネーストックには含まれない。[4] 1 源 · 一次資料
2026年8月のマネーストック(平残前年比、9月9日速報)は、M2が2.0%(平残1,296.4兆円)、M3が1.2%(1,640.0兆円)、M1が▲0.1%(1,087.5兆円)、広義流動性が4.4%(2,342.7兆円)。同じ資料の7月はM2 2.1%、M3 1.3%、M1 0.2%、広義流動性4.5%。[1] 1 源 · 一次資料
7月速報(8月12日)では、7月の前年比はM2 2.2%、M3 1.4%、M1 0.1%、広義流動性4.4%だった。8月速報の資料では7月分が訂正値として示され、2020年6月以降の計数が訂正された。[1][2] 1 源 · 一次資料
マネタリーベース(平残前年比)は2026年7月▲13.8%、8月▲15.7%(平均残高5,430,070億円)、9月▲15.2%。8月の内訳は日本銀行券発行高▲2.0%、貨幣流通高▲1.2%、日銀当座預金▲18.9%。[3][6] 1 源 · 一次資料
平残速報は原則として対象月の翌月第7営業日に公表し、3月分・9月分は翌月第9営業日。公表時刻は午前8時50分。確報公表後も基礎資料の入手や訂正に伴い遡及訂正される。日本銀行の公表予定表(2026年7月~2027年6月)では、9月分速報は2026年10月14日(水)。[4][5] 1 源 · 一次資料
2016年度の速報値と確報値の前年比の乖離(絶対値の平均)は、M2で0.06%ポイント、M3で0.04%ポイント、広義流動性で0.10%ポイント(最大0.28%ポイント)で、日本銀行は広義流動性の速報の推計精度が相対的に低いとしている。[4] 1 源 · 一次資料
主張・解釈
事実に数えない記述 — 種類を項目ごとに表示ここからはクロス検証されていない主張・推測の領域です。
7月から8月の前年比の変化は、M2・M3・広義流動性がいずれも▲0.1%ポイント、M1が▲0.3%ポイント、マネタリーベースが▲1.9%ポイント。[1][3] このページの計算・解釈 · 本ページの計算
出典1の8月のM3とM2の平残(1,640.0兆円と1,296.4兆円)を用いた本ページの計算では、M3からM2を引くと343.6兆円。これは両系列の差で、機関別に集計された預金残高ではない。現金通貨は両方に同じく含まれるため、この差はおおむね国内銀行等以外の預金取扱機関(ゆうちょ銀行や信用組合など)に預けられた預金通貨・準通貨・CDに当たると本ページは読む。[1][4] このページの計算・解釈 · 本ページの計算
8月はマネタリーベースが前年比15.7%減った一方、M2は2.0%増えた。マネタリーベースの減少は主に日銀当座預金(▲18.9%)によるもので、日銀当座預金はマネーストックに含まれないため、両者が逆方向に動くことはありうると本ページは読む。[1][3][4] このページの計算・解釈 · 本ページの読み
広義流動性は振り替えに比較的強い一方、速報の推計精度がM2・M3より低いとされるため、速報値の小さな変化は改訂の可能性も踏まえて読む必要があると本ページは読む。[4] このページの計算・解釈 · 本ページの読み
タイムライン
確認できなかったこと
このページが確かめようとして確かめられなかった事柄である。空白は推測で埋めない。- 2026年9月のマネーストック
- 9月分速報の公表日時の最終確定
- モデル
- claude-opus-5
- 日時
- 10/11/2026, 10:00
- 本文文字数
- 2,851
- 出典
- 採用した出典 6 件
- モデル
- ChatGPT(ウェブで出典を照合)
- 日時
- 10/11/2026, 10:00
- 判定
- 要修正
改訂履歴を表示(3件)
| 10/11/2026, 09:00 | 初版執筆(claude-opus-5) | 作成 |
| 10/11/2026 | 初版。日本銀行のマネーストック速報(2026年8月・7月)、マネタリーベース(2026年8月・9月)、「マネーストック統計の解説」(2026年3月)、統計データの公表・掲載予定(2026年7月~2027年6月)をもとに作成した。前年比の変化と残高の差は本ページの計算。 | 更新 |
| 10/11/2026 | 出典の記載に合わせて修正。M2・M3の定義の書き方、M3とM2の差の位置づけ、表の注記と内訳の表記を改め、広義流動性とM3の差に関する記述を本ページの読みとして明示した。 | 更新 |
よくある質問
2026年8月のM2はどうでしたか。
平残前年比2.0%の増加で、平残は1,296.4兆円です(9月9日速報)。7月の2.1%から0.1%ポイント鈍化しました。[1]
マネーストックとマネタリーベースは何が違いますか。
マネタリーベースは日本銀行が供給するお金(日本銀行券発行高+貨幣流通高+日銀当座預金)、マネーストックは一般法人・個人・地方公共団体などが持つお金です。8月はマネタリーベース▲15.7%、M2+2.0%でした。[1][3][4]
M2とM3はどう違いますか。
金融商品の範囲は同じで、預金の預け入れ先がM2は国内銀行等に限られ、M3はゆうちょ銀行などを含む全預金取扱機関です。8月はM2が2.0%、M3が1.2%の増加です。[1][4]
9月分のマネーストックはいつ公表されますか。
日本銀行の公表予定表(2026年7月~2027年6月)では、2026年10月14日(水)8時50分の予定です。9月分は原則として翌月第9営業日に公表されます。[4][5]
公式リンク
- 公式 日本銀行 — マネーストック速報(2026年8月、PDF)
- ドキュメント マネタリーベース 2026年9月
- ドキュメント 中国の社融とM2の違い(中国語)
出典
- [1] マネーストック速報(2026年8月) 一次資料
- [2] マネーストック速報(2026年7月) 一次資料
- [3] マネタリーベース(2026年8月) 一次資料
- [4] マネーストック統計の解説 一次資料
- [5] 統計データの公表・掲載予定(2026年7月~2027年6月) 一次資料
- [6] マネタリーベース(2026年9月) 一次資料