日本の温室効果ガス排出量の読み方 — 排出量と排出・吸収量、電気・熱配分の前と後、年度と暦年、毎年の再計算(2024年度の数値つき)
環境省が公表する国内公表用の温室効果ガス排出量・吸収量(CO2換算、年度値)で、2024年度の排出・吸収量は9億9,400万トンと2013年度比28.7%減、排出量は10億4,600万トン。削減目標の進捗は排出・吸収量で評価する。部門別CO2は電気・熱配分の前後で大きく異なり、過去の値は毎年再計算される。
2024年度の数値 — 排出量と排出・吸収量
時点:2024年度(代替フロン等4ガスは2024年)。対象:環境省の国内公表用の温室効果ガス排出量及び吸収量(CO2換算)。一次資料:「2024年度の我が国の温室効果ガス排出量及び吸収量(詳細)」(出典1)、同(概要)(出典2)。[1][2]
| 2024年度の数値(CO2換算) | 値 | 2023年度比 | 2013年度比 |
|---|---|---|---|
| 排出・吸収量(排出量−吸収量) | 9億9,400万トン | −1.9%(1,880万トン減) | −28.7%(3億9,950万トン減) |
| 排出量 | 10億4,600万トン | −1.9%(2,030万トン減) | −24.9%(3億4,710万トン減) |
| 森林等の吸収源対策による吸収量 | 5,230万トン | −2.9%(150万トン減) | — |
| うちCO2排出量 | 9億7,100万トン | −1.7% | −26.0% |
(注)表の増減量(1,880万トン減、3億9,950万トン減など)は出典1の公表値で、表中の丸めた総量どうしを差し引いた値ではない。[1]
排出・吸収量とは:「我が国の排出量の合計から森林等の吸収源対策による吸収量を差し引いた値である。」[1]
吸収量とは:「森林等の吸収源対策が温室効果ガスの吸収・削減に貢献した量。」[1]
概要版は、「2013年度以降の最低値を記録(初めて10億トンの大台を下回る)し、全体としての減少傾向を継続。」としている。[2]
削減目標と比べるときはどちらを使うか
削減目標の基準年は2013年度で、2030年度に46%、2035年度に60%、2040年度に73%の削減を目指すとしている。資料は、「また、削減目標の進捗評価は、基準年の排出量に対して、排出・吸収量を用いることとしている。」としている。[1]
2013年度比の減少率は、排出量では24.9%、排出・吸収量では28.7%となる。[1]
電気・熱配分前と配分後
配分前:「発電及び熱発生に伴うエネルギー起源 CO2 排出量を、電力及び熱の生産者側の排出として、生産者側の部門に計上した値(電気・熱配分前)とその推移を示す。」[1]
配分後:「発電及び熱発生に伴うエネルギー起源 CO2 排出量を、電力及び熱の消費量に応じて、消費者側の各部門に配分した値(電気・熱配分後)とその推移を示す。」[1]
| 部門(2024年度、百万トン) | 電気・熱配分前 | 電気・熱配分後 |
|---|---|---|
| 産業部門(工場等) | 237 | 334(2023年度比−2.5%) |
| 運輸部門(自動車等) | 180 | 187(同−1.6%) |
| 業務その他部門(商業・サービス・事業所等) | 50.5 | 162(同+0.2%) |
| 家庭部門 | 45.7 | 146(同−0.7%) |
| エネルギー転換部門(発電所・製油所等) | 393 | 79.1(電気熱配分統計誤差を除く、同−2.5%) |
資料は、「電気・熱配分後では、発電及び熱発生に伴う CO2 排出量を消費者に配分しているため、2016 年 4 月に始まった電力の小売全面自由化に関する影響は電気・熱配分前と比べて小さい。」としている。[1]
電気・熱配分後の2023年度比は、産業部門が製造業の生産量の減少によるエネルギー消費量の減少等で2.5%減、家庭部門が電力のCO2排出原単位の改善等で0.7%減、業務その他部門は産業活動の回復等によるエネルギー消費量の増加等で0.2%増とされる。[1][2]
年度と暦年、ガス別の内訳
HFCs、PFCs、SF6、NF3の4種類のガスは暦年値、その他は年度値で集計される。2024年度のCO2排出量は9億7,100万トン(2023年度比1.7%減)、CH4は2,790万トン(同5.4%減)、N2Oは1,480万トン。2024年の代替フロン等4ガスは3,220万トン(2023年比4.8%減、2013年比11.9%増)で、うちHFCsは2,760万トン(2013年比25.5%増)。[1]
概要版は、「実質GDP当たりの温室効果ガス排出量は、2013年度以降12年連続で減少し、1990年度以降で最小。」としている。[2]
過去の値は毎年再計算される
資料は、「今後、各種統計データの年報値の修正、算定方法の見直し等により、今回取りまとめた排出量及び吸収量が再計算される場合がある。」としている。2023年度の排出・吸収量は、2023年度報告値の1,017百万トンから今回の2024年度報告値で1,013百万トンに改められた。[1]
環境省の算定結果ページは、「過去の発表資料中の排出量の数値と最新の値は異なることがありますので、過去の排出量の最新値を御覧になりたい場合も、最新の発表資料から御確認ください。」としている。[3]
国連提出のインベントリとの違い
国連気候変動枠組条約事務局に提出する温室効果ガスインベントリと国内公表用の値について、算定結果ページは、「総排出量の算定結果は同一ですが、排出源のカテゴリー区分の定義・対象や、一部の排出源における算定方法が以下のとおり異なっていますので、御留意ください。」としている。また、環境省は、我が国の温室効果ガス排出量及び吸収量について『グロス-ネット方式』を採用していると説明している。[3]
エネルギー回収を伴う廃棄物の焼却などについて、資料は、「国連へ提出する温室効果ガスインベントリでは、IPCC ガイドラインに従い、エネルギー起源排出として計上しており、本資料とは整理が異なる。」としている。[1]
増減を読むときの手がかり
資料は気候の状況もエネルギー起源CO2の増減要因になるとし、「夏季の気温上昇は冷房需要(電力等の需要)を高め、CO2 排出量を増加させる。」と説明している。2024年度夏の日本の平均気温の基準値からの偏差は+1.76℃とされる。[1]
総合エネルギー統計における2024年度の電源構成では、再生可能エネルギー(水力含む)が23.1%(2023年度から0.2ポイント増)、原子力が9.4%(同0.9ポイント増)、火力(バイオマスを除く)が67.5%(同1.1ポイント減)とされる。[2]
本ページの読み
温室効果ガスの数字は、排出量か排出・吸収量か、電気・熱配分前か配分後か、年度値か暦年値か、どの年の報告値かで変わる。数字を引くときは、これらを添えて読むのがよいと本ページは読む。[1][2][3]
次の公表
環境省の算定結果ページには、最新の発表資料として2024年度分(2026年4月発表)が掲載されている。2025年度分の公表日はこのページには示されていない。[3]
確認済みの事実
各事実に根拠の種類を表示このセクションの各事実には根拠の種類が表示されます——独立した情報源でのクロス検証、または一次資料単独での確認。
環境省の国内公表用の数値で、2024年度の我が国の温室効果ガス排出・吸収量は9億9,400万トン(CO2換算)で、2023年度から1.9%(1,880万トン)減少し、2013年度の排出量(13億9,400万トン)と比べて28.7%(3億9,950万トン)減少した。排出・吸収量は、我が国の排出量の合計から森林等の吸収源対策による吸収量を差し引いた値とされる。[1][2] 1 源 · 一次資料
2024年度の排出量は10億4,600万トン(2023年度比1.9%減、2013年度比24.9%減)、森林等の吸収源対策による吸収量は5,230万トン(2023年度比2.9%減)。概要版は、排出・吸収量が2013年度以降の最低値を記録し、初めて10億トンの大台を下回ったとしている。[1][2] 1 源 · 一次資料
日本のNDC等の削減目標は2013年度が基準年で、2030年度に46%削減、2035年度と2040年度にそれぞれ60%、73%削減を目指すとしている。削減目標の進捗評価は、基準年の排出量に対して、排出・吸収量を用いることとしている。[1] 1 源 · 一次資料
CO2換算は各温室効果ガスの排出量に地球温暖化係数(IPCC第5次評価報告書の100年値)を乗じたもの。HFCs、PFCs、SF6、NF3の4種類のガスは暦年値で、その他は年度値。[1] 1 源 · 一次資料
部門別のエネルギー起源CO2は、発電・熱発生に伴う排出を生産者側の部門に計上する電気・熱配分前と、電力・熱の消費量に応じて消費者側の部門に配分する電気・熱配分後の2通りで示される。2024年度のエネルギー転換部門は配分前393百万トン、配分後79.1百万トン(電気熱配分統計誤差を除く)。産業部門は配分前237百万トン、配分後334百万トン。[1] 1 源 · 一次資料
電気・熱配分後の2024年度の部門別CO2は、2023年度比で産業部門2.5%減、運輸部門1.6%減、業務その他部門0.2%増、家庭部門0.7%減。業務その他部門の増加要因は、電力のCO2排出原単位が改善したものの、産業活動の回復等によりエネルギー消費量が増加したこと等とされる。[1][2] 1 源 · 一次資料
今回の値は、2023年度報告値(2025年4月25日公表)以降に利用可能となった年報値による再計算や算定方法の見直しを反映しており、2023年度の排出・吸収量は2023年度報告値の1,017百万トンから2024年度報告値で1,013百万トンに改められた。HFCsでは冷媒の使用時漏えい率及び初期充填量が見直された。[1][3] 1 源 · 一次資料
国連気候変動枠組条約事務局に提出する温室効果ガスインベントリと環境省の国内公表用の値は、総排出量の算定結果は同一だが、排出源のカテゴリー区分の定義・対象や一部の算定方法が異なる。また、環境省は、我が国の温室効果ガス排出量及び吸収量について『グロス-ネット方式』を採用していると説明している。[1][3] 1 源 · 一次資料
代替フロン等4ガスの2024年の排出量は3,220万トンで、2023年比4.8%減、2013年比11.9%増。うちHFCsは2,760万トンで2013年比25.5%増、2023年比3.4%減。概要版はHFCsの排出量が3年連続で減少したとしている。[1][2] 1 源 · 一次資料
主張・解釈
事実に数えない記述 — 種類を項目ごとに表示ここからはクロス検証されていない主張・推測の領域です。
公表値から計算すると、排出量10億4,600万トンから吸収量5,230万トンを差し引いた値は9億9,370万トンで、百万トン単位に丸めると公表された排出・吸収量9億9,400万トンと一致する。2013年度比は(9億9,400万÷13億9,400万−1)×100で−28.69%となり、丸めると公表値−28.7%と一致する。いずれも丸めた公表値による概算で、公表前の原データの再現ではない。[1] このページの計算・解釈 · 本ページの計算
2013年度比の減少率は、排出量で見ると24.9%、排出・吸収量で見ると28.7%と異なる。削減目標の進捗評価は排出・吸収量で行うとされているため、目標との比較に使う数字か、排出そのものの数字かを添えて読むのがよいと本ページは読む。[1][2] このページの計算・解釈 · 本ページの読み
エネルギー転換部門は電気・熱配分前393百万トン、配分後79.1百万トンと、どちらで数えるかで値が大きく変わる。部門別の排出を比べるときは、配分前か配分後かを確かめるのがよいと本ページは読む。[1] このページの計算・解釈 · 本ページの読み
過去の年度の値も毎年の再計算で改められるため、古い発表資料の数値と最新の発表資料の数値を並べて比べると、算定方法の違いが混じる。時系列で比べるときは最新の発表資料の系列を使うのがよいと本ページは読む。[1][3] このページの計算・解釈 · 本ページの読み
タイムライン
確認できなかったこと
このページが確かめようとして確かめられなかった事柄である。空白は推測で埋めない。- 2025年度の温室効果ガス排出量及び吸収量の公表日
- モデル
- claude-opus-5
- 日時
- 10/25/2026, 00:00
- 本文文字数
- 2,615
- 出典
- 採用した出典 3 件
- モデル
- ChatGPT(ウェブで出典を照合)
- 日時
- 10/25/2026, 00:04
- 判定
- 要修正
改訂履歴を表示(3件)
| 10/25/2026, 09:00 | 初版執筆(claude-opus-5) | 作成 |
| 10/25/2026 | 初版。環境省の2024年度温室効果ガス排出量及び吸収量の詳細・概要資料と算定結果ページをもとに作成した。排出量と吸収量からの検算は本ページの計算。 | 更新 |
| 10/25/2026 | グロス-ネット方式の記述を、環境省が採用していると説明している旨の原文の主語に合わせた。本ページの計算が丸めた公表値による概算で原データの再現ではないことを明記し、表の増減量が出典の公表値で表中の丸めた総量どうしの差ではない旨の注を加えた。 | 更新 |
よくある質問
排出量と排出・吸収量はどう違いますか。
環境省の国内公表用の数値で、排出・吸収量は排出量の合計から森林等の吸収源対策による吸収量を差し引いた値です。2024年度は排出量10億4,600万トン、吸収量5,230万トン、排出・吸収量9億9,400万トンでした。[1]
2024年度は2013年度から何%減りましたか。
環境省の国内公表用の数値(CO2換算)で、2013年度の排出量と比べると、排出・吸収量は28.7%減、排出量は24.9%減です。削減目標の進捗評価には排出・吸収量を用いるとされています。[1]
電気・熱配分前と配分後は何が違いますか。
発電・熱発生に伴うCO2を、配分前は発電所などの生産者側の部門に、配分後は電力・熱を消費した部門に計上します。2024年度のエネルギー転換部門は配分前393百万トン、配分後79.1百万トンです。[1]
公式リンク
出典
- [1] 2024年度の我が国の温室効果ガス排出量及び吸収量(詳細) 一次資料
- [2] 2024年度の我が国の温室効果ガス排出量及び吸収量(概要) 一次資料
- [3] 温室効果ガス排出量及び吸収量算定結果 一次資料