賃金構造基本統計調査の読み方 — 6月分の所定内給与額、平均と中位数、性・年齢・雇用形態別、毎月勤労統計との使い分け(令和7年の数値つき)
厚生労働省の賃金構造基本統計調査は、毎年6月分の賃金を性・年齢・学歴・雇用形態などの属性別に明らかにする基幹統計。概況の「賃金」は6月分の所定内給与額の平均で、残業代や賞与を含まない。概況の集計対象である常用労働者10人以上の民営事業所では、令和7年の一般労働者は340.6千円(前年比3.1%増)、中位数は296.6千円。賃金の水準や増減の状況は通常、毎月勤労統計調査で見る。
数字 — 令和7年(2025年6月分)
時点:令和7(2025)年6月分。公表2026年3月24日(厚生労働省)。一次資料:「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」(出典2)。集計範囲:常用労働者10人以上の民営事業所(52,242事業所)。[1][2]
| 区分(令和7年6月分、所定内給与額) | 賃金 | 前年比 |
|---|---|---|
| 一般労働者 男女計 | 340.6千円 | 3.1%増 |
| 男性 | 373.4千円 | 2.8%増 |
| 女性 | 285.9千円 | 3.9%増 |
| 男女間賃金格差(男=100) | 76.6 | 前年差0.8ポイント上昇 |
| 短時間労働者(1時間当たり)男女計 | 1,518円 | 2.8%増 |
| 一般労働者 男女計(千円) | 企業規模計 | 大企業 | 中企業 | 小企業 |
|---|---|---|---|---|
| 平均値 | 340.6 | 385.1 | 326.2 | 305.6 |
| 中位数 | 296.6 | 328.6 | 288.4 | 278.5 |
・一般労働者の賃金は男女計340.6千円で前年比3.1%増。 ・男女間賃金格差は76.6で、比較可能な1976年以降で最も縮小。 ・中位数は296.6千円で平均値より低い。[1][2]
表の読み方:「賃金」は6月分として支払われた所定内給与額の平均(短時間労働者は1時間当たり)。10人以上の常用労働者を雇用する民営事業所の集計。[2]
用語:賃金構造基本統計調査は、「この調査は、統計法に基づく「賃金構造基本統計」の作成を目的とする統計調査であり、主要産業に雇用される労働者について、その賃金の実態を労働者の雇用形態、就業形態、職種、性、年齢、学歴、勤続年数、経験年数別等に明らかにするものである。」[3]
何を調べるか — 6月分の賃金を属性別に
調査年6月分の賃金等を同年7月に調べ、賞与など特別給与は調査前年1年間の額を調べる。対象は16大産業の5人以上の民営事業所(5~9人は企業規模5~9人に限る)と10人以上の公営事業所。[3]
事業所と労働者の二段階で抽出し、約8万事業所・約170万人が対象。令和7年の有効回答率は75.4%。都道府県、産業、事業所規模ごとの復元倍率で賃金等を算出する。[2][3]
結果は、民間企業の賃金決定のほか、最低賃金の決定や労災保険の給付額算定の資料などに使われている。[3]
「賃金」は所定内給与額
利用上の注意は、「本概況に用いている「賃金」は、令和7(2025)年 6月分として支払われた所定内給与額の平均をいう。」としている。[2]
用語の定義は、「「所定内給与額」とは、労働契約等であらかじめ定められている支給条件、算定方法により6月分として支給された現金給与額(きまって支給する現金給与額)のうち、超過労働給与額(①時間外勤務手当、②深夜勤務手当、③休日出勤手当、④宿日直手当、⑤交替手当として支給される給与をいう。)を差し引いた額で、所得税等を控除する前の額をいう。」としている。残業代などの超過労働給与額や賞与は、概況の「賃金」には含まれない。[2]
一般労働者は通常の所定労働時間・日数の労働者、短時間労働者は1日の所定労働時間が短いか1週の所定労働日数が少ない労働者。短時間労働者の賃金は1時間当たりで示される。[2]
平均値と中位数、分位数
令和7年の一般労働者の賃金は、平均値340.6千円、中位数296.6千円。第1・十分位数は199.9千円、第9・十分位数は527.3千円。[2]
統計表の注は、「分位数とは、分布の形を示す値である。具体的には、該当労働者を賃金の低い者から高い者へと一列に並べたとき、以下の説明内容に該当する者の賃金である。」としている。中位数は低い方(あるいは高い方)から数えて全体の2分の1番目に当たる者の賃金。[2]
性・年齢・雇用形態・企業規模別に見る
男女間賃金格差(男=100)は76.6。報道発表は、「男女間賃金格差(男=100) 76.6(前年差 0.8 ポイント上昇)は、比較可能な昭和 51(1976)年以降で、格差が最も縮小」としている。[1][2]
男性の賃金は55~59歳の445.6千円がピーク。正社員・正職員358.8千円に対し正社員・正職員以外241.7千円(格差67.4)。企業規模別は大企業385.1千円、中企業326.2千円、小企業305.6千円。[2]
産業別では電気・ガス・熱供給・水道業(444.0千円)が最も高く、宿泊業,飲食サービス業(277.2千円)が最も低い。都道府県別では東京都(418.3千円)が最も高い。[2]
毎月勤労統計調査との使い分け
厚生労働省は、2つの調査について「いずれも労働者の賃金や労働時間を調べていますが、調査目的が違い、作成される統計が異なっているため、用途に応じ使い分けます。」としている。[4]
「通常、労働者全体の賃金の水準や増減の状況をみるときは毎月勤労統計調査を用います。」「一方、男女、年齢、勤続年数や学歴などの属性別にみるとき、また、賃金の分布をみるときは、賃金構造基本統計調査を用います。」[4]
毎月勤労統計調査は賃金・労働時間・雇用の毎月の変動を把握する調査で、翌々月上旬に速報、その半月後に確報を公表し、指数や季節調整値も公表している。賃金構造基本統計調査は事業所を毎年抽出替えし、毎月勤労統計調査は事業所を3年間(5~29人は18か月間)継続して調査する。[4]
前年比を読むときの注意
推計方法について、「令和2(2020)年から有効回答率を考慮した推計方法に変更しているため、令和2年の対前年増減率及び対前年差(ポイント)は、同じ推計方法で集計した令和元年の数値を基に算出している。」[2]
集計区分によってはサンプルサイズが少なく標本誤差が大きくなる場合があるため注意を要するとされている。[3]
本ページの読み
賃金構造基本統計調査は、6月時点の所定内給与額を属性別に詳しく見る統計で、平均値だけでなく中位数や分位数で分布を確かめるのがよい。賃金全体の増減を毎月追うには毎月勤労統計調査を使い、属性別の水準や格差は本調査で見るという使い分けが基本と本ページは読む。[2][4]
次の公表
公表予定(2026年3月24日更新)には令和7年調査までが掲載されており、令和7年調査は速報が2026年1月16日、概況が3月24日に公表された。令和8年調査の公表日はまだ掲載されていない。[5]
確認済みの事実
各事実に根拠の種類を表示このセクションの各事実には根拠の種類が表示されます——独立した情報源でのクロス検証、または一次資料単独での確認。
賃金構造基本統計調査は、統計法に基づく基幹統計「賃金構造基本統計」を作成する調査で、主要産業に雇用される労働者の賃金の実態を、雇用形態、就業形態、職種、性、年齢、学歴、勤続年数、経験年数別等に明らかにする。昭和23年以来毎年実施されてきた調査系列に属する。[3] 1 源 · 一次資料
調査年6月分の賃金等(賞与、期末手当等特別給与額は調査前年1年間)について、同年7月に調査する。対象は日本標準産業分類の16大産業で、5人以上の常用労働者を雇用する民営事業所(5~9人の事業所は企業規模5~9人に限る)と10人以上の公営事業所。[3] 1 源 · 一次資料
事業所を第1次、労働者を第2次の抽出単位とする層化二段抽出法で、抽出事業所数は約8万、抽出労働者数は約170万人。令和7年は79,321事業所が対象で、有効回答は59,836事業所(有効回答率75.4%)。概況はこのうち10人以上の常用労働者を雇用する民営事業所(52,242事業所)を集計した。[2][3] 1 源 · 一次資料
概況の「賃金」は、6月分として支払われた所定内給与額の平均。所定内給与額は、きまって支給する現金給与額から超過労働給与額(時間外勤務手当、深夜勤務手当、休日出勤手当、宿日直手当、交替手当)を差し引いた額で、所得税等を控除する前の額。[2] 1 源 · 一次資料
常用労働者は一般労働者と短時間労働者に分かれ、短時間労働者は同一事業所の一般の労働者より1日の所定労働時間が短いか、1週の所定労働日数が少ない労働者。企業規模は常用労働者1,000人以上を大企業、100~999人を中企業、10~99人を小企業とする。[2] 1 源 · 一次資料
令和7年(2025年6月分)の一般労働者の賃金は男女計340.6千円(前年比3.1%増)、男性373.4千円(2.8%増)、女性285.9千円(3.9%増)。男女間賃金格差(男=100)は76.6で前年差0.8ポイント上昇し、比較可能な昭和51(1976)年以降で格差が最も縮小した。短時間労働者の1時間当たり賃金は男女計1,518円(2.8%増)。[1][2] 1 源 · 一次資料
一般労働者の賃金の分布では、平均値340.6千円に対し中位数は296.6千円、第1・十分位数は199.9千円、第9・十分位数は527.3千円。企業規模別の平均値は大企業385.1千円、中企業326.2千円、小企業305.6千円。[2] 1 源 · 一次資料
雇用形態別では、正社員・正職員358.8千円に対し正社員・正職員以外241.7千円で、雇用形態間賃金格差(正社員・正職員=100)は男女計67.4。[2] 1 源 · 一次資料
令和2(2020)年から有効回答率を考慮した推計方法に変更しており、令和2年の対前年増減率は、同じ推計方法で集計した令和元年の数値を基に算出している。[2] 1 源 · 一次資料
厚生労働省は、賃金構造基本統計調査と毎月勤労統計調査は調査目的が違い、用途に応じて使い分けるとしている。労働者全体の賃金の水準や増減の状況をみるときは通常毎月勤労統計調査を、属性別にみるときや賃金の分布をみるときは賃金構造基本統計調査を用いる。[4] 1 源 · 一次資料
賃金構造基本統計調査は事業所を毎年抽出替えし、抽出率の逆数を用いた復元倍率で推計する。毎月勤労統計調査は事業所を3年間(5~29人の事業所は18か月間)継続して調査し、比推定を用いる。[4] 1 源 · 一次資料
調査結果は、民間企業の賃金決定等の資料のほか、最低賃金の決定や労災保険の給付額算定の資料、雇用・労働に係る国の政策検討の基礎資料として活用されている。[3] 1 源 · 一次資料
公表予定(2026年3月24日更新)によると、令和7年調査は速報が2026年1月16日、概況が3月24日に公表された。[5] 1 源 · 一次資料
主張・解釈
事実に数えない記述 — 種類を項目ごとに表示ここからはクロス検証されていない主張・推測の領域です。
令和7年の一般労働者の賃金は、平均値340.6千円が中位数296.6千円を44.0千円上回る。第9・十分位数(527.3千円)は第1・十分位数(199.9千円)の約2.64倍。[2] このページの計算・解釈 · 本ページの計算
女性285.9千円を男性373.4千円で割ると76.57、正社員・正職員以外241.7千円を正社員・正職員358.8千円で割ると67.36(いずれも×100)。それぞれ小数第1位に丸めると、公表値76.6、67.4と一致する。[2] このページの計算・解釈 · 本ページの計算
平均値は一部の高い賃金に引き上げられやすいため、平均値と中位数を並べ、分位数で分布の広がりを確かめるのがよいと本ページは読む。[2] このページの計算・解釈 · 本ページの読み
概況の「賃金」は6月分の所定内給与額で、残業代や賞与を含まない。毎月勤労統計調査の現金給与額とは対象も定義も異なるため、両者の金額をそのまま比べないのがよいと本ページは読む。[2][4] このページの計算・解釈 · 本ページの読み
賃金構造基本統計調査の前年比は毎年6月時点の水準の比較で、毎月の動きは示さない。賃金全体の増減は毎月勤労統計調査で、属性別の水準や格差は本調査で見るという使い分けで読むのがよいと本ページは読む。[2][4] このページの計算・解釈 · 本ページの読み
タイムライン
確認できなかったこと
このページが確かめようとして確かめられなかった事柄である。空白は推測で埋めない。- 令和8年賃金構造基本統計調査の公表日
- モデル
- claude-opus-5
- 日時
- 10/24/2026, 10:23
- 本文文字数
- 2,505
- 出典
- 採用した出典 5 件
- モデル
- ChatGPT(ウェブで出典を照合)
- 日時
- 10/24/2026, 10:38
- 判定
- 要修正
改訂履歴を表示(3件)
| 10/24/2026, 09:00 | 初版執筆(claude-opus-5) | 作成 |
| 10/24/2026 | 初版。厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査の報道発表資料と概況、調査の概要、毎月勤労統計調査との相違、公表予定をもとに作成した。平均値と中位数の差、格差の検算は本ページの計算。 | 更新 |
| 10/24/2026 | 要約・FAQ・数字の節に、概況の集計対象が常用労働者10人以上の民営事業所であることを明記した。男女間・雇用形態間の賃金格差の検算を、丸め前の値と小数第1位に丸めた値の一致として記した。 | 更新 |
よくある質問
賃金構造基本統計調査とは何ですか。
主要産業に雇用される労働者の賃金の実態を、雇用形態、性、年齢、学歴、勤続年数などの属性別に明らかにする厚生労働省の基幹統計調査です。毎年6月分の賃金を7月に調べます。[3]
令和7年の平均賃金はいくらですか。
概況の集計対象である常用労働者10人以上の民営事業所では、一般労働者の賃金(6月分の所定内給与額の平均)は男女計340.6千円で前年比3.1%増でした。中位数は296.6千円です。[1][2]
「賃金」に残業代やボーナスは含まれますか。
概況の「賃金」は所定内給与額の平均で、時間外勤務手当などの超過労働給与額は差し引かれています。賞与は年間賞与その他特別給与額として別に調べられています。[2][3]
毎月勤労統計調査とどう使い分けますか。
厚生労働省は、労働者全体の賃金の水準や増減の状況は通常毎月勤労統計調査で、属性別にみるときや賃金の分布をみるときは賃金構造基本統計調査で見るとしています。[4]
男女間賃金格差はどうなっていますか。
概況の集計対象である常用労働者10人以上の民営事業所では、令和7年は男=100として76.6で、前年差0.8ポイント上昇し、比較可能な1976年以降で最も縮小しました。[1]
次の結果はいつ公表されますか。
令和8年調査の公表予定はまだ掲載されていません。令和7年調査は速報が2026年1月16日、概況が3月24日に公表されました。[5]
公式リンク
出典
- [1] 「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査」の結果を公表します 一次資料
- [2] 令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況 一次資料
- [3] 賃金構造基本統計調査 調査の概要 一次資料
- [4] 賃金構造基本統計調査と毎月勤労統計調査の相違について 一次資料
- [5] 賃金構造基本統計調査 公表予定(e-Stat形式) 一次資料