日銀「生活意識に関するアンケート調査」の読み方 — 世論調査としての性格、D.I.の定義、物価実感の平均値と中央値(2026年9月調査の数値つき)
日本銀行の生活意識に関するアンケート調査は、全国の満20歳以上の個人4,000人に年4回尋ねる一種の世論調査で、短観のような統計調査とは異なる。第107回(2026年9月調査、有効回答1,972人)では、1年前比の物価実感の中央値が+10.0%、平均値が+16.2%、現在の景況感D.I.は▲53.0。次回の結果は2027年1月18日公表予定。
数字 — 第107回(2026年9月調査)
時点:第107回(2026年8月3日~9月4日実施)。公表2026年10月13日(日本銀行)。対象:全国の満20歳以上の個人4,000人、有効回答1,972人(有効回答率49.3%)。一次資料:「生活意識に関するアンケート調査」(第107回<2026年9月調査>)の結果(出典1)。[1]
| 項目(第107回・2026年9月調査) | 今回 | 前回(2026年6月) |
|---|---|---|
| 景況感D.I.(現在、1年前対比) | ▲53.0 | ▲56.7 |
| 景況感D.I.(1年後) | ▲36.2 | ▲42.5 |
| 現在の収入D.I. | ▲5.4 | ▲10.7 |
| 物価が1年前より「上がった」(かなり+少し) | 95.5% | 95.3% |
| 1年前比の物価の変化率(平均値/中央値) | +16.2%/+10.0% | +16.5%/+10.0% |
| 1年後の物価の変化率(平均値/中央値) | +11.8%/+10.0% | +13.1%/+10.0% |
| 5年後までの毎年の物価の変化率(平均値/中央値) | +10.1%/+5.0% | +10.8%/+5.0% |
・現在の景況感D.I.は▲53.0で前回比改善。 ・物価が1年前より上がったと答えた人は9割台半ば。 ・1年前比の物価の変化率は中央値+10.0%、平均値+16.2%。[1]
表の読み方:D.I.は回答割合の差(%ポイント)。物価の変化率は回答者が記入した数値で、平均値は上下各々0.5%のサンプルを除いた値。「上がった」の割合は「かなり」と「少し」の合計(本ページの計算)。[1]
用語:「本調査は、生活者が現状において抱いている生活実感や、金融・経済環境の変化がもたらす生活者の意識や行動への影響を把握することにより、日本銀行の金融政策や業務運営の参考にすることを目的として、1993年以降実施しています。」[3]
どんな調査か — 一種の世論調査
解説は、「この調査は、日本銀行が別途行っている「全国企業短期経済観測調査(短観)」のような統計指標としての調査とは異なり、生活者の意識や行動を大まかに把握する一種の世論調査です。」としている。[2]
対象は全国の満20歳以上の個人4,000人で、調査の都度、住民基本台帳等から層化二段無作為抽出法で選ぶ。2004年から年4回(3月、6月、9月、12月)で、現在は郵送回答とインターネット回答の選択式。[2]
第107回の有効回答率は49.3%。集計対象標本の構成は、20~29歳が6.8%(母集団11.5%)、60~69歳が18.8%(同14.4%)などで、母集団との差が表で示されている。[1]
D.I.の定義
各D.I.は日本銀行が指定する二つの回答割合の差で、差をとる選択肢は設問ごとに異なる。結果の資料では、景況感D.I.=「良くなった(良くなる)」-「悪くなった(悪くなる)」、暮らし向きD.I.=「ゆとりが出てきた」-「ゆとりがなくなってきた」、収入D.I.=「増えた(増える)」-「減った(減る)」、支出D.I.=「増えた(増やす)」-「減った(減らす)」、金利水準D.I.=「金利が高すぎる」-「金利が低すぎる」、雇用環境D.I.=「不安をあまり感じない」-「かなり感じる」と示されている。[1]
第107回の現在の景況感は「良くなった」5.2%、「変わらない」35.9%、「悪くなった」58.2%で、景況感D.I.は▲53.0。現在の収入D.I.は▲5.4で、2006年9月以降のピークだった。[1]
物価の実感 — 平均値と中央値
調査の「物価」は、注で「あなたが購入する物やサービスの価格全体」と定義されている。[1]
平均値について、注は「極端な値を排除するために上下各々0.5%のサンプルを除いて計算した平均値。」とし、中央値は「回答を数値順に並べた際に中央に位置する値。」としている。[1]
第107回の1年前比の変化率は平均値+16.2%、中央値+10.0%(全サンプルの単純平均値は+16.9%)。1年後は平均値+11.8%、中央値+10.0%、5年後までの毎年の変化率は平均値+10.1%、中央値+5.0%。[1]
物価が上がったと答えた人のうち、8割台半ばが「どちらかと言えば、困ったことだ」と答えた。暮らし向きに「ゆとりがなくなってきた」と答えた人の理由では「物価が上がったから」が91.4%。[1]
消費者物価指数との関係
調査では、総務省統計局が前月に公表した消費者物価指数(CPI総合)の前年比について数値のイメージを持っているかも尋ねている。第107回で「数値のイメージを持っている」と答えた人は8.3%で、その回答の中央値は+2.0%だった。[1]
物価の実感の質問は回答者自身が購入する物やサービスについての受け止めを尋ねるもので、統計としての消費者物価指数とは尋ね方も対象も異なる。消費者物価指数の読み方は関連ページを参照。[1][2]
本ページの読み
生活意識に関するアンケート調査は、統計指標ではなく生活者の意識をつかむ世論調査で、物価の数値は回答者の実感を示す。D.I.は元の回答割合とあわせて、物価の変化率は平均値と中央値を並べて読み、消費者物価指数の上昇率とは区別するのがよいと本ページは読む。[1][2]
次の公表
第108回は2026年11月2日~12月4日に実施予定で、結果は2027年1月18日に日本銀行ホームページに掲載予定。[4]
確認済みの事実
各事実に根拠の種類を表示このセクションの各事実には根拠の種類が表示されます——独立した情報源でのクロス検証、または一次資料単独での確認。
生活意識に関するアンケート調査は、生活者の生活実感や、金融・経済環境の変化が生活者の意識や行動に与える影響を把握し、日本銀行の金融政策や業務運営の参考にすることを目的に、1993年以降実施されている。[3] 1 源 · 一次資料
日本銀行は、この調査を短観のような統計指標としての調査とは異なり、生活者の意識や行動を大まかに把握する一種の世論調査と位置づけている。[1][2] 1 源 · 一次資料
対象は全国の満20歳以上の個人4,000人で、調査の都度、住民基本台帳等から層化二段無作為抽出法で選ぶ。2004年からは年4回実施し、第27回(2006年9月)からは郵送調査法、第90回(2022年6月)からは郵送回答とインターネット回答の選択式。[2] 1 源 · 一次資料
第107回(2026年9月調査)は2026年8月3日~9月4日に実施し、標本数4,000人に対し有効回答者数1,972人(有効回答率49.3%)。集計対象標本の構成は、20~29歳が6.8%(母集団11.5%)、60~69歳が18.8%(同14.4%)など、母集団と差がある。[1] 1 源 · 一次資料
景況感D.I.は「良くなった(良くなる)」-「悪くなった(悪くなる)」、暮らし向きD.I.は「ゆとりが出てきた」-「ゆとりがなくなってきた」で、回答割合の差(%ポイント)。[1] 1 源 · 一次資料
第107回の現在の景況感D.I.(1年前対比)は▲53.0(前回比+3.7)、1年後の景況感D.I.は▲36.2。現在の収入D.I.は▲5.4で、郵送調査となった2006年9月以降のピークとなった。[1] 1 源 · 一次資料
調査での「物価」は「あなたが購入する物やサービスの価格全体」と定義される。第107回では、物価が1年前より『上がった』と回答した人の割合が9割台半ばで、1年前に比べた変化率の回答は平均値+16.2%、中央値+10.0%だった。[1] 1 源 · 一次資料
物価の変化率の平均値は、極端な値を排除するために上下各々0.5%のサンプルを除いて計算した値で、全サンプルの単純平均値は1年前比で+16.9%。中央値は回答を数値順に並べた際に中央に位置する値。[1] 1 源 · 一次資料
1年後の物価の変化率は平均値+11.8%(前回+13.1%)、中央値+10.0%。5年後までの毎年の平均的な変化率は平均値+10.1%、中央値+5.0%。[1] 1 源 · 一次資料
総務省統計局が前月に公表した消費者物価指数(CPI総合)の前年比について「数値のイメージを持っている」と答えた人は8.3%で、その回答の中央値は+2.0%、平均値は+4.3%だった。[1] 1 源 · 一次資料
第108回は2026年11月2日~12月4日に実施予定で、結果は2027年1月18日に日本銀行ホームページに掲載予定。[4] 1 源 · 一次資料
主張・解釈
事実に数えない記述 — 種類を項目ごとに表示ここからはクロス検証されていない主張・推測の領域です。
第107回の回答割合(現在の景況感で「良くなった」5.2%、「悪くなった」58.2%)から差をとると▲53.0で、公表された景況感D.I.と一致する。暮らし向きD.I.も4.5%-54.4%で▲49.9。いずれも公表された回答割合(小数第1位)どうしの差で、公表値と一致する。[1] このページの計算・解釈 · 本ページの計算
1年前比の物価の変化率は、平均値(+16.2%)が中央値(+10.0%)を6.2ポイント上回る。物価が『上がった』の割合は「かなり上がった」68.9%と「少し上がった」26.6%の合計で95.5%。[1] このページの計算・解釈 · 本ページの計算
日本銀行自身がこの調査を統計指標ではなく一種の世論調査と位置づけ、「物価」も回答者が購入する物やサービスの価格全体についての実感として尋ねている。数値は生活者の受け止めを示すもので、消費者物価指数の上昇率と同じものとして比べないのがよいと本ページは読む。[1][2] このページの計算・解釈 · 本ページの読み
物価の変化率の平均値は大きい回答の影響を受けやすく、日本銀行も上下0.5%を除いた平均値と中央値を併記している。変化率の水準を見るときは平均値だけでなく中央値もあわせて見るのがよいと本ページは読む。[1] このページの計算・解釈 · 本ページの読み
各D.I.は設問ごとに日本銀行が指定する二つの回答割合の差で、たとえば景況感D.I.では「変わらない」の割合は式に入らない。D.I.の動きを見るときは、元の回答割合もあわせて確かめるのがよいと本ページは読む。[1] このページの計算・解釈 · 本ページの読み
タイムライン
確認できなかったこと
このページが確かめようとして確かめられなかった事柄である。空白は推測で埋めない。- 第108回(2026年12月調査)の結果
- モデル
- claude-opus-5
- 日時
- 10/24/2026, 11:12
- 本文文字数
- 2,156
- 出典
- 採用した出典 4 件
- モデル
- ChatGPT(ウェブで出典を照合)
- 日時
- 10/24/2026, 11:16
- 判定
- 要修正
改訂履歴を表示(3件)
| 10/24/2026, 09:00 | 初版執筆(claude-opus-5) | 作成 |
| 10/24/2026 | 初版。日本銀行の生活意識に関するアンケート調査(第107回)の結果、調査の解説、調査ページ、第108回の実施についてをもとに作成した。D.I.と回答割合の検算は本ページの計算。 | 更新 |
| 10/24/2026 | 第108回の調査期間と結果の掲載を予定として記した。各D.I.は設問ごとに指定された二つの回答割合の差であるとし、景況感・暮らし向き・収入・支出・金利水準・雇用環境のD.I.の式を資料どおり個別に記した。物価の定義の引用を一対のかぎ括弧に改めた。 | 更新 |
よくある質問
生活意識に関するアンケート調査とは何ですか。
日本銀行が1993年以降、全国の満20歳以上の個人4,000人を対象に行っている調査です。日本銀行は、短観のような統計調査とは異なる一種の世論調査と位置づけています。[2][3]
2026年9月調査の物価の実感はどうでしたか。
第107回(2026年9月調査、有効回答1,972人)では、物価が1年前より上がったと答えた人が9割台半ばで、変化率の回答は中央値+10.0%、平均値+16.2%でした。[1]
景況感D.I.はどう計算しますか。
「良くなった(良くなる)」と答えた人の割合から「悪くなった(悪くなる)」と答えた人の割合を引いて求めます。第107回の現在の景況感D.I.は▲53.0でした。[1]
平均値と中央値はどう違いますか。
平均値は極端な値を排除するために上下各々0.5%のサンプルを除いて計算した値、中央値は回答を数値順に並べた際に中央に位置する値です。[1]
物価の実感は消費者物価指数と同じですか。
同じではありません。調査は回答者が購入する物やサービスの価格全体についての実感を尋ねる世論調査です。CPIの前年比について数値のイメージを持つ人は第107回で8.3%でした。[1][2]
次の結果はいつ公表されますか。
第108回は2026年11月2日~12月4日に実施予定で、結果は2027年1月18日に掲載予定です。[4]
公式リンク
- 公式 日本銀行 — 生活意識に関するアンケート調査
- 公式 日本銀行 — 生活意識に関するアンケート調査の解説
- ドキュメント 消費者態度指数の読み方
- ドキュメント コアCPIの3種類の違い
出典
- [1] 「生活意識に関するアンケート調査」(第107回<2026年9月調査>)の結果 一次資料
- [2] 生活意識に関するアンケート調査の解説 一次資料
- [3] 生活意識に関するアンケート調査 一次資料
- [4] 「生活意識に関するアンケート調査」(第108回)の実施について 一次資料